パンデミック下では、数多くの働く人が出社からリモートワークに切り替えるなど、知識労働者の業務環境は180度変わりました。2年以上経つ今では、ハイブリッド勤務は恒久的な体制となり、企業も従業員もバーチャル会議ツールを受け入れています。一方で「リモート会議疲れ」、よく見かける別の言い方である
「Zoom疲れ」を感じている人もたくさんいます。
世界的に、2021年と比較すると働く人の40%がビデオ会議に費やす時間が増えており、そのうちの多くは一日の業務が終わるころには疲弊しています。「リモート会議疲れ」の症状は、頭痛、体の痛み、目のかすみ、精神的・肉体的な疲労感などが挙げられます。これらの症状は最終的にはモチベーション低下、生産性の低下、従業員エンゲージメントの低迷に繋がり、事業に悪影響を及ぼします。
リーダーは「リモート会議疲れ」の原因とその影響、さらにはビデオ会議がバーチャル協業に必要不可欠になったハイブリッド勤務において部下が前向きに働ける方法を理解する必要に駆られています。それでは、見ていきましょう。
「リモート会議疲れ」の主な原因
スタンフォード大学の調査によると、バーチャル会議による疲労の原因は主に4つあります。
1.近距離での過剰なアイコンタクト:対面の会議では通常、参加者間の距離は保たれており、見つめ合ったまま目線が固定されるようなことは全くありません。一方ビデオ会議では、まるで隣の席との距離が60cm以内でずっとお互いの目を見つめている、といった印象を受けます。これが心理学的レベルで不安反応を引き起こすのです。
2.画面上で自分自身の姿が常に目に入る:勤務時間の大半をビデオ会議に費やすことは、長い間鏡を見続けるようなものであると言われています。ビデオ会議中は常に他者から見られていると感じるだけでなく、自分自身の外見や姿勢も痛烈に意識するようになり、画面上で良く見られたいというプレッシャーを感じて疲れてしまいます。
3.ビデオ会議中は体の動きが制限される:WEBカメラのフレームに収まっていなければいけないため、ビデオ会議中は体の動きが減る傾向にあります。会議に集中していないと思われたくないあまりに、背筋を伸ばした姿勢を保ち、そわそわしないように自制するため、動きが制限され、肉体的にも影響が出て、疲れが増すのです。
4.過剰な刺激にさらされる:ビデオ会議の参加者は、処理すべき視覚情報と聴覚情報が増えます。誰が話しているのかを判断し、表情とボディランゲージを注視し、声のトーンを聞き分けるだけでなく、他の参加者のスクリーン背景も常に目に入ってきます。このすべての要因が精神的疲労を誘います。
部下をサポートする「リモート会議疲れ」対策
部下のリモート会議の負担を軽減するために、マネージャーもしくはリーダーのあなたにできることは何でしょうか?以下にヒントを示します。
目的をもった会議招集
リモート勤務が始まったころ、全員がオフィスに集まれないことへの穴埋めをしようとするあまり、ビデオ会議ツールを過剰に利用していたマネージャーが多く
いました。今では「Zoom疲れ」が企業側にも認識され、会議を詰め込みすぎないように気遣うようになっています。
会議のインバイトを送信する前に…
その会議は本当に必要かを考えましょう。
必要なのであれば、議題を決める際に会議の目的を明確に定めます。
参加者でも会議の目的を提言したり、見直したりできるようにしておけば、会議参加に向けた彼らの準備にもなります。
会議は短いほどベター
カレンダーソフトのデフォルトである30分や1時間という単位を、あなたの会議に無理やり当てはめる必要はありません。会議は短く集中し、自然なペースで進められるようにしましょう。自然なペースとは、全員が意義のある貢献ができつつも話し合いがテキパキ進む状態です。
あなたのプレゼンテーションを動画もしくは音声で会議前にシェアし、会議自体はそのフィードバックもしくは質疑応答の場としましょう。これにより、参加者は事前準備を万端にして会議に臨むことになり、コラボレーションに掛ける時間を増やすことができます。
会議はコンパクトに、役割分担を
会議のインバイトを送付する際、宛先を熟考しましょう。参加が必須で話し合いに価値をもたらすことができるメンバーのみに絞り込みます。それ以外の、会議の結果を知りたい人向けには議事録を作成するか、会議を録画・録音しましょう。
参加者に会議内での責任分担を割り振っておけば、会議への集中がより高まります。たとえば、定例会議のファシリテーター(進行役)を持ち回りにする、書記やタイムキーパーを指名する、などです。
社内方針を通じた従業員エンパワーメント
在宅勤務を取り入れている企業では、「会議ゼロの日」や「顔出しゼロの日」などの設定が増えています。そのおかげで従業員は生産性の高い業務に集中し、会議疲れやビデオカメラによるストレスの予防ができます。
しかしながらこのような方針を導入する前に、あなたのチームからのフィードバックが欠かせません。メンバーの希望・要望を話し合って検討し、充分な情報に基づいた意思決定を行いましょう。
カメラマナーの明文化
「この会議では、カメラはON、OFFどちらでも良い」と決めるなど、どうしてほしいかを事前に知らせましょう。適切な会議ツールを使えば音声のみでも遜色なく、生産性の高い会議ができます。
しかし、カメラに関しては妥協も必要である点を忘れないでください。たとえば、発言している間は聞き手の顔を見たい、そうでなければ虚空に話しかけている気がしてしまう、という人もいます。最低限でも、カメラをOFFにした場合に表示されるプロフィール画像を各自が設定しておくべきです。
コミュニケーションスタイルを多様化させる
チームの意見を必要とする問題が発生したとき、自動的にビデオ会議をセットすべきではありません。即時の反応を求める会議形式ではなく、メンバーが自分のペースで、各自が得意なやり方で貢献できる形式もあります。クラウド上のドキュメントにメモを追記する、音声もしくは動画メッセージをシェアする、チャットやメールなどです。これらの方法を使えば、話し合い過程のより詳細な記録を後で振り返ることも可能になります。現状報告などが必要な会議には、このような手法が役立つでしょう。
クリエイティビティを高めエンゲージメントを向上するため、ホワイトボーディングなどのツールを使って会議をより活性化させることができます。さらに、チャット機能、Q&Aボックス、挙手機能などで話し合いを多様化させましょう。画像、テキスト、GIFなど反応を示すためのメディアも参加促進に役立ちます。
自然でスムーズに稼働するハイテクツールに投資
最後に、自然で対面しているような印象をもたらすハイテクな遠隔会議ツールに投資しましょう。はっきり聞こえる音声やきれいな画質を提供するテクノロジーにより、雑音や画像の歪みなどに対して感じる精神的負担の一部が緩和できます。
同時に、MAXHUBが提供するようなオールインワンのソリューションではアプリケーションとツールの切り替えも簡単にでき、参加者の会議エンゲージメントをキープします。特に重要な点は、コラボレーションを高めるシームレスな画面シェア機能や使いやすさです。より良いビデオ会議体験は、究極的には「リモート会議疲れ」を減らすうえで非常に効果があるでしょう。
ハイブリッド勤務の先駆者とならざるを得ない今日の
リーダーには、この新しい勤務環境にチームを適応させるだけでなく、成功に導かなければいけないという責任が加わっています。幸いなことに、成功に必要なツールとテクノロジーはすべて手の届くところにあります。
MAXHUBはバーチャル会議向け最新ツールをお届けするための継続的な研究開発(R&D)プログラムを通じ、常にイノベーションし続けています。さらに詳しい情報をご覧ください。